こんにちは。
私たちFLOSFIAは、「酸化ガリウム(Ga₂O₃)」という新材料を軸に、次世代のパワー半導体を開発・事業化するディープテックスタートアップです。
けれども、その道のりは決して最初から見えていたわけではありません。
手元にあったのは、大学の研究室で生まれた一つの技術シーズと、「この技術を社会に届けたい」という思いだけ。
そこから先は、まさに誰も歩いたことのない道でした。
この連載の目的:創業の軌跡を共有する意味
このブログシリーズでは、FLOSFIAがどのようにゼロから事業を立ち上げ、未踏の分野に足場を築いてきたのか、そのプロセスを記録・共有していきます。
特にお伝えしたいのは、専門家の知見を取り入れながらも、自分たちの頭で考え、自分たちの手で形にしてきた過程です。
【立ちはだかった壁とその乗り越え方】
・情報がなければ、自分で調べ、専門家に会いに行く
・前例がなければ、仮説を立てて検証する
・専門外の領域にも飛び込み、手を動かしながら学び続ける
そうした試行錯誤の積み重ねこそが、FLOSFIAの原動力となってきました。
届けたい読者:次の挑戦者たちへ
この連載は、単なる企業沿革の紹介ではありません。
私たちは、この創業ストーリーを通じて、ディープテック領域に挑もうとしている皆さんに、現実的な視点と一歩踏み出す勇気を届けたいと考えています。
【こうした方に届けたい】
・「技術はあるけれど、どう事業化すればいいのか分からない」
・「資金も仲間も足りないけど、動き出したい」
・「知財、量産、提携――すべてが未知数」
そんな不安や悩みに直面している方にとって、FLOSFIAの“実話”が少しでも参考になればと思っています。
連載構成(予定)
本連載では、FLOSFIAの創業から現在に至るまでを、テーマ別に以下のような構成で振り返ります。
【シリーズの主な構成】
・【黎明期】アイデアはある、でも何もない。ゼロからの出発
・【知財戦略編】特許ゼロから始まった、素人の知財戦略
・【資金調達編】VCからのダメ出しに、どう応えたか
・【技術開発編】不可能と言われた壁への挑戦
・【パートナーシップ編】大企業とどう組み、何を守ったか
どの回も、FLOSFIAの“本音”と“実践”を交えながら、できるだけリアルに、誠実に綴っていく予定です。
まとめ:「専門性×全現場力」で切り拓く
FLOSFIAが歩んできた道のりは、「専門家任せ」でも「我流の突っ走り」でもありませんでした。
常に、外部の知恵に学びながら、それを自分たちの文脈に落とし込む力。
そして、研究・開発・製造はもちろん、資金調達、営業、採用に至るまで──あらゆる“現場”に自分たちで立ち、動き、つないでいく全現場力。
その両方を兼ね備えることこそが、私たちが“誰も歩いたことのない道”を進むための原動力でした。
次回予告:ROCA創業、Ga₂O₃とは無関係な第一歩
次回は、FLOSFIAの前身であるROCA株式会社としての最初の挑戦を振り返ります。
実は、Ga₂O₃とはまったく関係のない事業からスタートしていたFLOSFIA。
その挑戦はなぜ、うまくいかなかったのか。
ゼロからの模索がどのように次の道を拓いたのかをお伝えします。
(文:FLOSFIA 取締役会長 人羅俊実)