パワーデバイス事業

エネルギー環境問題解決の切り札である「パワーデバイス」とは

「パワーデバイス」とは電力変換に用いられる半導体デバイスです。AC-DCやDC-DC、DC-ACなどの電力変換時には、電力損失が生じてしまい、熱として放出されてしまいます。この電力変換時の電力損失は、全発電量の10%超を占めるなど極めて大きく、せっかく作り出された電気(エネルギー)が無駄になるとして、世界的な社会問題と認識されてきました。
他方で現在主流のシリコン(Si)製パワーデバイスでは、シリコン(Si)自体が持つ材料物性の限界から、これ以上の電力損失の低減が困難な状況にあります。このため、シリコン(Si)以外の新材料を用いた変換効率の良い「次世代パワーデバイス」の実用化への期待が膨らんでいます。

電気の輸送に生じる「変換」

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POINT 1: 電気の変換が行われるポイントはこんなにある
POINT 2: 各段階で変換時に必ず電力損失が生じる=エネルギーの無駄

現在変換に使われているシリコンではこれ以上効率よくできない。
新素材を使った変換効率が良い次世代パワーデバイスがエネルギー問題を改善

FLOSFIAの独自アプローチ
酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた
「次世代パワーデバイス」の開発

そこで、FLOSFIAでは、この電力損失を劇的に低下させる新しいパワーデバイスとして、酸化ガリウム(Ga2O3)に着目、本材料を用いた新しいパワーデバイスの開発に注力しています。 酸化ガリウム(Ga2O3)は、バンドギャップ値が5.3eV(コランダム構造の場合)、期待される絶縁破壊電界が8MV/cmを超えるなど極めて良好な物性値を有しており、シリコン(Si)やシリコンカーバイド(SiC)と比較して、それぞれ1/3400、1/10もの低損失化が期待できる、省エネ化のキー材料です。

酸化ガリウム(Ga2O3)を用いたパワーデバイスを実現するためには、高品質な単結晶を実現しなければなりません。
FLOSFIAではミストCVD法を独自アプローチで改善したMISTEPITAXY®を用いることで、サファイヤ基板上に直径4インチのコランダム構造(α型)酸化ガリウム半導体層を形成、極めて良質な単結晶を作ることに成功しています。これまで問題であった炭素不純物も低減しました。

さらに、FLOSFIAでは、20μm以下のフィルム状に加工した酸化ガリウム(Ga2O3)フィルムを半導体ウエハの代わりに下地材料として用いることで、下地材料部分の抵抗を低減することにも成功しました。本フィルムは、市販のSiC基板に比べて1/100程度まで抵抗を低減することが可能です。また、酸化ガリウム(Ga2O3)の欠点でもある低い熱伝導率という課題を解決することもできます。

低損失化のインパクト

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1.実装面積の縮小
2.コスト低減
3.設備投資額の低減
(小さいウエハで大量のデバイス)

Ga2O3フィルムのメリット

1.低抵抗化
半導体層の抵抗値を低減

2.熱伝導率の課題解決
放熱盤(ヒートシンク)や金属への直付けにより放熱性向上

世界最小のオン抵抗(0.1mΩcm2)を有する
酸化ガリウム製ダイオードの開発に成功

86%低減に成功

FLOSFIAでは、酸化ガリウムを用い、世界最小(FLOSFIA調べ)のオン抵抗である0.1mΩcm2のショットキーバリアダイオード(SBD)を実現しました。オン抵抗とは、パワーデバイスの主要な性能指数で、値が小さいほど低損失が期待できます。
現在販売されている最新のシリコンカーバイド(SiC)製SBDのオン抵抗0.7mΩcm2と比較すると86%もの低減となります。しかもこのSBDは500V以上の耐圧を有しており、家庭用の電源用途で使用可能な耐圧を有しています。

低オン抵抗なFLOSFIA製SBDの実現により、電力変換モジュールの効率化・小型化が期待できます。さらに、FLOSFIA製SBDは低コストで製造できるため、パソコン用ACアダプタの超小型化、IoT機器等のウェアラブル端末向け電源への応用など民生品への応用展開が期待できます。

Ga2O3製SBDの耐圧(Vbd)、オン抵抗プロット

Ga<sub>2</sub>O<sub>3</sub>製SBDの耐圧(Vbd)、オン抵抗プロット

耐圧-オン抵抗特性は、材料物性で規定されるユニポーラ限界と下地材料(基板、フィルム)の抵抗による限界とで限界値が示されます。(図中では右下であるほど高耐圧・低オン抵抗で優れた特性です)Ga2O3はSiやSiCと比較して高耐圧・低オン抵抗が期待できる優れた材料であることがわかります。試作したSBD1は世界最小のオン抵抗値である0.1mΩcm2を実現。耐圧(Vbd)531Vと高く、SBD2ではさらに高耐圧化に成功し耐圧855Vと優れた値を実現しました。

Ga2O3製SBDの電流密度-電圧特性

Ga<sub>2</sub>O<sub>3</sub>製SBDの電流密度-電圧特性

作製したSBDは低オン抵抗であるため、急峻な立ち上がり特性を有しています。電流密度が高いSBDが期待できるため、低損失化が可能です。チップを小型化して大電流を流せるため、1.実装デバイスの小型化や、2.小型化による低コスト化、3.設備投資の低減が期待できます。将来的にはSi製SBDよりもコストを低減することが期待できます。

FLOSFIA製SBDの作製方法

1.MIST EPTIAXY法を用いて、サファイア基板上にGa2O3層を作製
2.その後、FLOSFIA独自技術を用いてサファイア基板を除去し、20μm以下の厚みのGa2O3フィルムを単離
3.その後、エッチング、メタライズ等のデバイスプロセスを経て、フィルム上にSBDを作製

 FLOSFIA製SBDの作製方法

コランダム構造を有するサファイヤ基板上にGa2O3をエピタキシャル成長することで、コランダム構造の高品質Ga2O3単結晶を実現しています。その後、縦方向の電気伝導を実現するために、絶縁性であるサファイヤ基板を除去してGa2O3フィルムを単離し、SBDを作製します。

成膜ソリューション事業


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